2023/02/24 21:04

三藤るいさんの作品を初めて手に取った時、何か奥深いものを感じました。

とてもたおやかに作られており、造形も素材も細やかに心配りをしてこれ見よがしのところが寸分も無い。
ものすごく力強く、またその中に密やかな華やかさが見え隠れしている。
使うとその土や釉薬から受ける天然素材の魅力を造形とともにを丁寧に十分に引き出している事を実感します。

ご自身で山に入り土を見つけ、釉薬も全て自然の材料、日数かけて作られます。
そして薪を使っての焼成。
作陶する日々の中で常に追求する造形。そしてその造形は数年前、数年後とも違うのです。
良いなぁと思って手に取った作品を実際に使い、ご自分でその時の作品の良さを見つけてください。
きっといろいろ見えて来る事と思います。
そして使い込んで是非、ご自身のうつわに育ててください。


酒器をご紹介してゆきますね。

▪️青唐津ぐい呑B

落ち着いた印象のぐい呑ですが、複雑な色味が現れており、底の部分に見える唐津ならでの土の質と色のなんと綺麗な事!
口縁にはかすかな窯変。
釉薬の艶やかさもこの色味を引き立てています。
お酒を入れると見込みの部分も更に綺麗なとこでしょう。



▪️井戸ぐい呑
すんなりと口に向かってゆるやかに広がった碗型のぐい呑。
全体には琵琶色、そして白い釉薬の溜まりが線状にぐるりを囲んでいます。
炎の動きにより、明るい琵琶色の部分と灰色の部分と現れていて変化があり面白く、釉薬は総掛けで高台周りも魅力的です。