一つの作品にアート性のある美しさと実用性を同居させるにあたり

折り合いをどのようにつけるかはとても難しいと思います。

ノグチカズミさんの作品は自然の中にひそむ、

内と外のあわいにある形のない懐かしい美しさをテクスチャーも含めたフォルムに写しています。

またそのフォルムが生み出す手に取った時の重量感や厚み・料理を乗せた時の縁の役割などもそれぞれ細やかに調整されています。

その双方は一体化していてとても静かに「もの」として「そこ」にいます。

ノグチさんの作品においては２年前ほどから何度かやりとりをして小さな変化を重ねながら今回の個展に至りました。

今までもこれからも刻々と変わっていくノグチさんの作品において　

今時点で最高の美しさを落とし込んだフォルムをお届けできる事となりました。

是非　多くの方にご覧いただきたいと思います。

器の店・沈丁花　　岩倉千律子